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 5.賓客のための特別な部屋
(清水歴史探訪より)
 
 この奥にも賓客のための、特別な部屋が用意されています。
 
 「このお部屋の向こうが書院、こっちが小書院(こじょいん)っていう形に名称されています。
 
この蛇味線(じゃみせん)のある部屋が、次の間
こちらが、奥にある最上室の接見の間
 お部屋が2間ありますけど、この奥の部屋がこのお寺の最上室ということであります。このお寺にとって大事なお客様がお出でになった場合は、住職さんがこのお部屋でお迎えするという風に聞いております。向こうがその接見の間ですね。こっちが控の間、次の間って言うんですかね。
 で、まず最初にここに『潜龍室』とこう書かれた扁額があるんですけど、これが朝鮮通信使の本物の字なんです。こういうものなんです、朝鮮通信使の真筆(しんぴつ)のものは。」
 「これ墨で書いてあるわけですね。」
 「墨ですね。ですから墨(すみ)で書くから墨書(ぼくしょ)。あるいは染める筆、染筆(せんぴつ)って言います。
 扁額にするためにはこの墨書(ぼくしょ)が必要だったんです。こういうものが48点ありますよということで、それらが世界記憶遺産に申請済みっていうことになります。はい、その墨書(ぼくしょ)の1枚が、ここにあります。」
世界記憶遺産
 歴史的な文書や絵画、音楽を後世に残すため、ユネスコが1992年に始めた。最新の技術を駆使して保存し、広く公開する。べートーベン「第九」の楽譜や「アンネ・フランクの日記」、藤原道長の日記「御堂関白記」などが登録されている。
 後世に伝えるべき歴史的文書などの保存を奨励し,デジタル化などを通じて世界の人々のアクセスが可能となることによって,世界的観点から歴史的文書の重要性を認識することを目指している。
 「それからこの最上室に入る前に、ここに琉球使節から頂いた蛇味線(じゃみせん)って言いますけど、沖縄の人は、三線(さんしん)って言いますよね、ここに展示されております。
 これは先ほど話しました400年忌のあった2010年以前は非常に古めかしい状態でした。音の出る共鳴体(きょうめいたい)の部分のこの蛇皮(じゃび)っていう蛇の皮が、真っ二つにこう裂けていたんです。油が切れたんでしょうね。
 ということで、この400年忌にちなんで全部修復していただきましたので、非常に立派な三線(さんしん)に生まれ変わったということになるかと思います。」
「はい。」
蛇味線(三線)と三味線の違い
 蛇味線(三線)は、元々は中国より琉球に伝わったものです。その後、三線が本土に伝わり三味線に進化したと云われています。
 形として蛇味線(三線)から三味線への変化点は、
皮が蛇(昔はハブを利用していましたが今はニシキヘビが主流)からネコ等の皮です。
 次に、大きさは小型から大型化(サイズはかなり違います)しております。さらに、三線は爪を使用しておりますが、三味線は撥(ばち)を使用しております。なお、弾き方もかなり異なるようです。
 
写真は、三味線の解説図です。
三線用の爪
三味線用の撥(ばち)
三線
小唄用三味線
津軽三味線
 「はい。ではこちらのお部屋に今、最上室、接見の間に入っていただきます。
     折り上げ竿縁天井
 天井が、玉座とは少し形状が違います。こちらの竿がこう天井にわたっていますので、こちらは『折り上げ竿縁天井(さおぶちてんじょう)』というらしいです。
 で、黒は漆塗りになっております。
 それから、ここにあの戸棚が上下2段ありますけども、これは板絵っていいます。柾目(まさめ)の板に、絵を描いてあります。
 下は花鳥図(かちょうず)と言いまして、四季折々のお花とか小鳥とかそんな優しい絵柄になっています。
 それから上の2枚はこのお寺に関係する外国の使節のどうもお国柄の絵のようです。 左側がどうやら沖縄県、琉球のお城、グスクって言うらしいんですけどね。
 
 写真は 戦災で焼かれる前の首里城の正殿
 それから右側がどうやら朝鮮の故郷の絵のようだということで、これは精度はちょっと低いかもしれませんけども、全く当たってないことはないと思うんですけどね。」
 「ここも国際色豊かということですね。」
 「そういうことになりますね。」
 「はい。」
 「小書院(こじょいん)の障子には桟(さん)のところに、徳川さんの三つ葉葵が透かしという形で、外が明るいときは浮き上がって見えるお部屋でございます。」
 
写真は、透かしの三つ葉葵
追記
 日光東照宮には、「逆さ葵の御紋」があります。1624年オランダ東インド会社から送られたオランダ燈籠・転灯篭(灯を燈すと回ります)です。よく見ると三つ葉の葵の御紋が逆さまで、「逆紋の回転灯篭」と呼ばれております。これは、オランダ人が制作したため間違えたそうです。  
 
 ところが、久能山東照宮にもこの「逆さ葵の御紋」があるのです。御紋が逆になっている「逆さ葵」は拝殿に計3箇所あるのです。この説明として、完成すると、後は「朽ちるのみ」との考えで、あえて未完成にするため、葵の紋を逆さにしたというのが、神社としての見解のようです。  
 では、清見寺には「逆さ葵の御紋」はあるのでしょうか?
 あります。いくつもあるのです?
 次に、これらの「逆さ葵の御紋」はどうして作られたのでしょうか?
 この説明を私がいたします。世の中には、いつでも反逆児とかひねくれ者、いたずら好きなどがいるのです。間違ったことがばれたら『切腹もの』、だからこそスリルがあるのではないでしょうか?
これは、いたずら
これは、たんなる貼り間違い
これは、写真の撮り方による私のいたずら
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税理士法人森田いそべ会計
〒424-0816
静岡市清水区真砂町4-23
TEL.054-364-0891
代表 森田行泰
税理士
社員 磯部和明
公認会計士・税理士

1.各種税務相談・税務申告
2.記帳業務
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■東海税理士会所属
■日本公認会計士協会所属
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