(清水歴史探訪より)
「このお家の特徴はですね、西園寺公望という偉い人が住んでいたがゆえの、セキュリティー対策なんかも考えて作られたお家になっています。例えばですね、今は全くもう復元されていませんが、まず外側にはですね、警察官が24時間体制でガードしています。
ポリスボックスの詰所みたいなものがありました。そこでまず海岸線でガードをする。それからですね、お家の周りなんかでは砂利がひいてありますね。お部屋の外側で誰か歩いたとしますね、そうすると歩く音がします。それで人間の気配を感じるかと思うんですね。
それから、これは普段のガラス窓、それから雨戸、それからこの外側にも雨戸を付けることができます。」
「レールがもう一揃いあるわけですね。」
「あるんですね。これは防犯的なもの、あるいは台風が来るといったときにですね、ここに別途雨戸なども取付けるというようなことも復元されています。」
「はい。」
「それからですね、注目点は・・・」
「どうぞ、こちらがですね、脱衣所。ここは西園寺公望専用の風呂ですけれども、檜の風呂ですね。それから、白いボタン。」
「はい。浴槽のすぐ横に押しボタンがありますね。」
「今でいうところの、ナースコール的な使い方をするんですけれども、各部屋にこういう白いボタンがあります。お風呂場に復元されていますけれども、女中さんの部屋につながっています。そして例えばここでビーッて押しますと、女中さんの部屋のこのパネルの風呂場、浴槽の位置にランプがつくわけですね。」
「今の最新のシステムに似たようなものがありますね。」
「そうですね。その通りだと思います。」
「それから、浴槽の横に小さな扉がありますが。」
「これはですね、言ってみれば緊急用の扉ではないかと言われています。これを開けます。それからここも開けます。これも開けます。」
・・・扉を開ける音・・・
「今復元されていませんけれども、この出たところに金属製のシェルターみたいな本箱がありまして、そこに緊急的に避難すると。そこまで考えられていました。」
「脱出口になっているわけですね。」
「そうですね。言ってみれば、そのような使い方を考慮して作られた扉じゃないかと思います。」