2.三つの掛け軸の話
(清水歴史探訪より)
龍津寺(りょうしんじ)には、日本における、天動説と地動説をめぐる論争の貴重な資料が残されています。
「今、準備をしている掛け軸は、版画になるんですけれども、同じものが京都大学に残されております。3幅(ぷく)一対(つい)になっていまして、3つの掛け軸ですね、地図になります。」
それから、これは赤道ですね。日月(じつげつ)のめぐりの通り道もここに描かれています。
上は夏至のときですね。
それから、お彼岸・中日になります。春分の日・秋分の日の赤道ですね。
それから、冬至の赤道、一番南側に描かれていますね。」
「この時点では、まだアメリカ大陸は発見されていないんでしょうか。」
「発見されてはいたんですけれども、その情報が届いていなかったということですね。」
「はい。」
「またおもしろいのがですね、この掛け軸には色んな自然現象の起こりが描いてあるんですね。例えば、地震はなぜ起こるか。地震に多種あり、いわく、悪龍が怒ってですね、海水、水を振動させて、津波を起こすということですとかですね。火柱・彗星がどんなもので起こるとかですね。色んな自然現象の起こりを仏典にのっとった形で解説しているというのがあります。地理でもありますし、科学でもある時代のものになります。」