12.静岡県の国宝その3(工芸品と建物)
静岡県の国宝として、工芸品(刀剣を除く)が2点、建物が1点指定されております。
熱海市熱海232の1 世界救世教所有
三島市大宮町2の1の5 三嶋大社
3.久能山東照宮社殿 (平成22年 国宝指定)
静岡市根古屋390 久能山東照宮
静岡県の国宝(工芸品)『色絵藤花文茶壺 (いろえふじはなもんちゃつぼ)』
色絵藤花文茶壺 は野々村仁清の作である。中世以前の陶工は無名の職人にすぎなかったが、仁清は自分の作品に「仁清」の印を捺し、これが自分の作品であることを宣言した。そうした意味で、仁清は近代的な意味での「作家」「芸術家」としての意識をもった最初期の陶工であるといえよう。
仁清の作品は、茶壺、水指、茶碗、香炉、香合などの茶道具で占められているが、その代表作といわれるものが、この色絵藤花文茶壺である。
温かみのある白釉地の上に、咲き盛る藤花が巧みな構図で描かれており、花穂と蔓は赤や紫・金・銀などで彩られ、緑の葉には一枚一枚葉脈を施している。総体が均等に薄く挽き上げられた端正な姿は、色絵の文様とほどよく調和しており、下部の土見も壺全体のバランスをよく保っている。
静岡県の国宝(工芸品)『梅蒔絵手箱(うめまきえてばこ)』
三嶋大社にある北条政子奉納と伝える蒔絵手箱。鎌倉時代の漆工芸品を代表する優品で、入念に漆を塗り重ね、金粉を濃密に蒔きつける沃懸地(いかけじ)の技法により豪華に仕上げられています。蒔絵の基本技法(平蒔絵・研出蒔絵・高蒔絵)の完成を示す作品としても知られます。
本体の手箱の他、鏡・鏡箱・白粉箱・歯黒箱・薫物箱・螺鈿櫛・銀軸紅筆・銀挟など化粧道具がほぼ揃った最古の遺品として、風俗史上も貴重です。
静岡県の国宝(建物)『久能山東照宮 社殿』
最後に登場するのが、平成22年12月に国宝指定されました久能山東照宮の社殿であります。
ご幼少の頃からあらゆる艱難辛苦を払いのけ、征夷大将軍に就き泰平の世を開かれた徳川家康公。晩年を静岡で過ごされた家康公は遺命として久能山に眠ることを家臣に託し、元和2年(1616年)4月17日に神々の世界へと旅立たれました。徳川家康公をお祀りする最初の神社、それが久能山東照宮です。