静岡県の国宝として次の5点が指定されている。
1.薙刀(なぎなた) 銘備前国長船住人長光造 (昭和32年 国宝指定)
個人所有だったが、昭和63 年(1988)佐野美術館に寄贈。
〒411-0838 静岡県三島市中田町1−43
TEL:055-975-7278 FAX:055-973-1790
公益財団法人 佐野美術館
2.太刀(たち) 銘真垣(まさかね) (昭和26年 国宝指定)
附(つけたり) 糸巻太刀拵(いとまきたちこしらえ)
静岡市根古屋390 久能山東照宮
3.太刀(たち) 銘康次(やすつぐ) (昭和30年 国宝指定)
附(つけたり) 糸巻太刀拵(いとまきたちこしらえ )
静岡市馬淵町 個人
4.短刀(たんとう) 銘来国光(らいくにみつ)(昭和30年 国宝指定)
名物有楽来国光(名物 :時代が古く容姿が美しくすぐれているものを指す。)
静岡市馬淵町 個人
5.太刀(たち) 銘一(いち) (昭和27年 国宝指定)
沼津市通横町 個人
糸巻太刀拵(いとまきたちごしらえ):この刀装の基本様式は鎌倉時代に始まり、鞘の上部を柄糸(つかいと)と同じ糸で渡り巻にしたもので、桃山時代以降は主として大名の儀式に用いられた。赤銅(しゃくどう)地の金具に定紋を入れ、金梨子地(きんなしじ)塗の鞘にも同じ紋を蒔絵したこの様式は、刀装の中でも最も華美で格調が高く、武家の権力の象徴とも見られたもので武家太刀拵とも呼ばれている。
康次という銘は、古青江派を代表する刀工・康次の名前から付けられた。備中国(岡山県西部)では、平安時代末から数百年間、青江(現在の倉敷市)を中心に刀剣の制作が繁んに行われた。
織田信長から将軍の座を追われた室町幕府十五代将軍足利義昭が、力を借りようとして、薩摩の太守島津義久に贈ったものと伝えられている。江戸時代になって島津家の家紋入り糸巻太刀拵が付けられ、儀式の際に使われた。
④太刀 銘「則宗」(日枝神社) - 徳川綱吉が幼少時に奉納。
⑤太刀 銘「助包」(個人蔵) - 因州池田家伝来。
⑥太刀 銘「吉平」(個人蔵) - 紀州徳川家伝来。銘の上に菊紋の細い毛彫り。
⑦太刀 銘「吉房」(東京国立博物館)号「岡田切」
⑧太刀 銘「吉房」(東京国立博物館) - 尾張藩家老竹腰家伝来。
⑨太刀 銘「吉房」(岡山・林原美術館) - 伊予西条松平家伝来。
⑩太刀 銘「吉房」(法人蔵) - 徳川家綱より徳川将軍家伝来。
⑪太刀 銘「吉房」(個人蔵) - 徳川家綱が島津家に下賜。島津家伝来。
⑫太刀 銘「則房」 (個人蔵) - 徳川将軍家伝来。「片山一文字」とも。
⑬太刀 無銘「則房」 (個人蔵) - 茎が大磨上無銘。