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静 岡 県 の 国 宝 に つ い て
 
 静岡県には、国宝が全部で12点しかありません。絵画が1点、書が3点、刀剣が5点、工芸品が2点そして平成になってから国宝に指定された建物が1点であります。感想として、所有者に個人が多かったのは意外でったですが、『世界救世教』 という宗教団体が3点も所有しているのには驚きました。この宗教団体の美術品はすべて『MOA美術館』にて保管され一般に公開されております。
 
 世界救世教』は、いわゆる新興宗教で、①浄霊という手かざしの儀式、②自然農法の推進、③芸術活動の実践に特徴があり、国内には100万人、海外には200万人の信者がいるそうです。私の周りにも信者ではありませんが、『薬は毒だ』と思っている人や極端な自然農法愛好者がおります。予想以上に、世界救世教の考えに賛同している人が多いのかも知れません。なお、現代では、教団自ら医療施設を教団内に設け、医学を敵視しているわけではないようです。
 『MOA美術館』のMOAとは、教祖岡田茂吉(おかだもきち)の頭文字とAssociation(団体)のAだそうです。岡田茂吉は『美術品は決して独占すべきものではなく、一人でも多くの人に見せ、娯しませ、人間の品性を向上させる事こそ、文化の発展に大いに寄与する」との信念のもと、戦後、東洋美術品の蒐集につとめ、海外への流出を防ぎ、美術館を開館したそうです。 
10.静岡県の国宝その1(絵画と書)

 静岡県には、国宝として下記の通り、絵画が1点、書が3点あります。

 

1.絵画『紙本金地著色紅白梅図』 (昭和31年 国宝指定)

    尾形光琳筆  熱海市熱海232の1     世界救世教所有

           熱海市桃山町26の2    MOA美術館保管

 

2.書 『法華経(久能寺経)』  (昭和27年 国宝指定)

    19巻    静岡市清水区村松2188  鉄舟寺

 

3.書 『手鑑「翰墨城」(てかがみ「かんぼくじょう」)』

(昭和36年 国宝指定)   熱海市熱海232の1     世界救世教所有

             熱海市桃山町26の2    MOA美術館保管

 

4.書 『聖武天皇詔勅』(天平感宝元年閏五月廿日)

(昭和27年 国宝指定)  榛原郡相良町大字大江459 平田寺

              (=牧之原市大江459)

静岡県の国宝(絵画)『紅白梅図』
 
 静岡県には、絵画部門に属する国宝は一つしかありません。世界救世教の所有する『紅白梅図』であります。『①燕子花図』とともに光琳の二大傑作として知られておりますが、この作品は最晩年の作であります。光琳は宗達の画風を慕い『②風神雷神図』などの屏風を模写③したり、雪舟の画を模写して江戸狩野の画法を学びました。
 紅梅と白梅、海樹と水流、直線と曲線、墨と色、顔料と金地、金と銀、写実と装飾、さまざまな要素が対立し、光琳墨生の名作、江戸時代絵画の記念碑的存在である。
燕子花(かきつばた)(ず)
燕子花だけが描かれており、八つの花の群れは八橋を示唆(しさ)。
俵谷宗達が描いた風神雷神図(円熟)
 
尾形光琳 風神雷神図屏風 (華やか) 

背景を省略し、梅の木と流水だけをクローズアップ。白梅の樹の大部分を画面外にかくしている。

紅梅は画面一杯に描いて左右対照の妙。中央に水流をおいて未広がりの構図。
樹幹は、水分を多く含んだ墨によって幹を描き、まだ乾かないうちに、やや濃い墨や薄い緑をたらすようにして複雑ににじませています。

 中央の流水文は、極めて類のない工芸的な手法だそうです。

 花弁を線描きしない光琳梅。花びらの中は金彩
静岡県の国宝(書)『法華経(久能寺経)』
 
 清水に存在する唯一の国宝、『法華経(久能経)』。平安時代末期における平家納経と並ぶ名品。久能寺経は、共に仏と縁(えにし)を結ぼうとした三十人が、一品(いっぽん)ずつ法華経を書き写したものである。写経料紙には思い思いの装飾を施してあり、経巻の巻末には結縁者名(けちえんしゃめい)や官名が記されている。
静岡県の国宝(書)
『手鑑「翰墨城」( てかがみ「かんぼくじょう」)
手鑑(てかがみ)とは、厚手の紙で作られた折帖に、古筆の断簡を貼り込んだ作品集。古筆を手軽に鑑賞できるところからこの名で呼ぶ。古筆が鑑賞の対象として愛好されるようになると、「古筆切」として収集することが流行した。古筆愛好家たちは、数多くの古筆・名筆を鑑賞するために、古筆切を帳面に貼り込んで手鑑を作成した。
 手鑑「翰墨城」は、「藻塩草」(京都国立博物館蔵)「見ぬ世の友」(出光美術館蔵)とともに、古筆三大手鑑の一つとして夙(つと)に名高い。「翰墨城」の名は、翰(筆)と墨によって築かれた城という意味。奈良時代から南北朝・室町時代の各時代にわたる古筆切が、表側154葉、裏側157葉の合計311葉が押されている。
手鑑「藻塩草」(てかがみ「もしおぐさ」)
手鑑「藻塩草」(てかがみ「もしおぐさ」)
見ぬ世の友
見ぬ世の友
春遊:唐の詩人、白楽天の詩集『白氏文集』を書写したものの断簡。この断簡の筆者は藤原行成(972~1027)である。藤原行成は、平安時代の三跡の一人。
百錬鏡:菅原道真(845~903)の筆と伝えられている。『白氏文集』巻第4の新楽府の「百錬鏡」の部分。

手鑑「翰墨城」の見どころのひとつ、「料紙」の美しさ。

青く染められた紙に、柳や鳥の姿が金や銀で描かれた大変美しい「栂尾切」。

手鑑「翰墨城」の見どころのひとつ、「料紙」の美しさ。
墨流しをあしらった上に金銀の小片が散らされた「墨流し切」・・・。

静岡県の国宝(書)『聖武天皇勅書』
 
 静岡県の国宝の中に聖武天皇の勅書があります。勅書とは、天皇の勅命を下達する文書のことで、似たような言葉で『詔勅』『院宣』『令旨』があります。『詔勅(しょうちょく)』とは天皇が公務で行った意思表示で、形式はありません。『院宣(いんぜん)』とは、上皇からの私的な命令で、『令旨(りょうじ)』とは、皇太子 の命令で、以仁王の令旨が有名です。さて、『聖武天皇詔勅』は牧之原市の平田寺(へいでんじ)が所有しております。
「平田寺(へいでんじ)」は、臨済宗の古刹で、天明6年(1786年)に相良藩主" 田沼意次"により再建されました。
 この寺は、749年に"聖武天皇"が「天下太平万民和楽」を祈願して、東大寺などに布や土地を寄進する勅旨を所蔵しています。また、境内には、"三浦環"(「蝶々夫人」で有名なオペラ歌手)の記念碑があります。
平田寺(へいでんじ)
牧之原市大江459
0548-52-0492 (平田寺)
聖武天皇
この字は聖武天皇の直筆(じきひつ)
詔勅の前半部分。
詔勅
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税理士法人森田いそべ会計
〒424-0816
静岡市清水区真砂町4-23
TEL.054-364-0891
代表 森田行泰
税理士
社員 磯部和明
公認会計士・税理士

1.各種税務相談・税務申告
2.記帳業務
 3.給与計算・決算指導

■東海税理士会所属
■日本公認会計士協会所属
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