5.静岡市埋蔵文化財センターを訪ねて
(清水歴史探訪より)
三池平古墳からは、貴重な副葬品も見つかっています。
(清水歴史探訪より)
「帆立貝形の石製品というのがあるんです。
それが、この古墳と奈良の日葉酢媛命陵(ひばすひめりょう)(=日葉酢媛命陵:ひばすひめのみことりょう=狭木之寺間陵(さきのてらまのみささぎりょう)と全国で二か所からしか出ていません。日葉酢媛命陵(ひばすひめりょう)の物は宮内庁の物ですから、明治時代にて、図面と写真かなんかを撮って、石膏の型を取って本物は埋め戻してしまったとのことで、実物を見られるのはこの三池平古墳の物だけとのことです。そこから考えても、中央との関係が非常に強かったということが考えられると思います。」
「先程の天井石の伊豆の話と言い、今度は奈良ですか。非常に広い範囲との交易、あるいは交通等があったわけですね。」
「そうですね、我々が考えているよりもかなり広い範囲で交易していたと思います。」
静岡市埋蔵文化財センター
所 在 地 〒424-0032
静岡市清水区横砂東町33番2号
TEL・FAX:054-367-9436
開館時間 午前9時から午後4時30分まで
休 館 日 ●土曜日・祝日・年末年始
●第2・第4・第5日曜日
※講演会等催事開催期間中は休館日の変更があります
※事前にご確認ください
入 館 料 無料
駐 車 場 9台
清水区横砂東町にある、静岡市埋蔵文化財センターでは、三池平古墳の断面模型を見ることができます。
(清水歴史探訪より)
「後円部の石室ですね。それをこう断面から取って割ったものなんですけれども。そこから暗渠排水がずっと伸びてきて、この中に水が入った場合にひとりでに流れているというような形になりますね。これ流れ出るようにするには、ある程度勾配(こうばい)なんかも調べて計り出して造っているだろうし、当時そういう技術がここに来たということですね。」
「古墳と言いますと、事前に盗掘されてしまっているケースが多いと思いますが、三池平はいかがだったのですか?」
「三池平は五世紀初頭から昭和33年の発掘まで、主体部は一回も掘られることなく発見されたんです。ですから埋まった状態がそのまんま葬られた状態で出てきたということでも、この古墳の貴重さがわかると思います。」
埋葬当時のまま発見された、三池平古墳の出土品もここで保存展示されています。
「帆立貝形石製品と書かれていますけれども、これ材質は石なんですか?」
「そうですね、石地を丁寧に削ってこういう形にしてる物ですね。筒型銅器と一緒に石室の中の石棺の外側にですね、棚が造ってあるんで、その棚の上に乗せたような状態で出土しています。」
「真ん中の所に穴が開いているようですけれども」
「多分首飾りのように穴をあけて通したんだろうと思います。といいますのも、帆立貝の格好をした首飾りを掛けた埴輪(はにわ)がですね、奈良に出土しているようですので、たぶんそういう風にして使ったのかもしれないということが考えられますね。」