----------------- ガチャンッ(おもりの重なる音) -------------------
「1、2、3、4、5、6個、7個。」
「はい、この辺で調節していたんじゃないかなと思うんです。回転する速度ですね。」
灯りを灯す灯台のてっぺんに上がるには、狭くて急な螺旋階段を登らなければなりません。
「それでこの螺旋階段、鉄製の螺旋階段も100年前そのまんまですね。この踊り場も、木製の踊り場も全て昔の物です。」
「これが100年前の。」
「はい、そうです。まだ使っています。腐ってもいませんし。」
「急な階段ですね。」
「そうですね、メンテナンスする為の職員が登り降りするだけですから。一般の方は立ち入ることはできませんので。」
「もう一つ踊り場が出てきました。これも100年前の」
「そうですね。」
「三段目の踊り場ですね、段々狭くなってきますね。」
「はい、そしてこれが最新式のメタルハライドランプの点灯制御装置になります。」
「ここに制御装置がついているわけなんですね。」
------------------------ ドタドタ(階段を上る音) -------------------
「この周りの壁も木ですけれども、ここも当時のままです。」
「ほんとですね、木ですね。」
「ペイントはしてますけれども、本当は木です。」
-------------------- コンコンッ(壁をたたく音) ------------------
「そうですね、コンクリートではない…これが100年前から。素晴らしい事ですね。」
「ここは最上段…最上段も木の床なんですね。」
(清水歴史探訪より)
「そして100年前のものがもう一つ、レンズもそうなんです。これは、イギリスで作られたレンズなんです。バーミンガム製。
それとこれを乗せている水銀槽なんですが、中に水銀が入っています。水銀の上にレンズと光源、これを乗せております。」
「水銀の上に浮かんでいるような状態になっているんですか。」
「比重の高い水銀の上に浮かべて、抵抗を少なくしていると。そしてサイクロ減速機で回しております。」
「ではこのギアの部分というのは最近の」
「これは電化されてからの話ですのでごく最近です。」
「それ以外の部分は100年」
「はい、100年前の物です。この中に水銀があります。」
「水銀の入っている部分も100年前から」
「そうです。そしてこの先程の中央の分銅の機構がまだここに残っているんですけれども」
「ガラスのはめられた箱の中にギアとワイヤーと入っているんですね。」
「この引っ張る力を回転力にしてたようなんですが、その辺の機構はちょっと見当たらないですけれども。この物自体が残っているのは非常に珍しいと思います。私もあちこち転勤で行きましたけれども、こういう風に残っているのは初めて見ました。あの分銅とか筒はあるところ、見えてくるんですれどもこんな形で機構自体が残っているのは非常に珍しいと思います。」
「しかし綺麗なギアが、よく手入れをされていたんだなという印象がありますね。」
「そうですね、ほんとに螺旋階段もそうですけれども、それから木製の床なりも壁なりもそうなんですが当時からメンテナンスしっかりやられていたのかなと。いうふうに思います。じゃないとここまで長い間持たないと思いますけどね。」
「この狭い階段を油を持って登ってこなければならなかったわけですね。」
「そうですね、たぶん慣れたもんで登ってきたと思うんですけどね。日に何回も登ってこなければならなかったようですし。」
「台風の時は大変だったでしょうね」
「多分そうだと思いますね」
「今は小さな電球が」
「これは今使っているもので、もし仮になんか事故があって消えたりなんかするとですね、これが自動的に回転して代りにすることになっております。」
「自動で予備が点くようになっているんですね。」