第十六話 三保の灯台 100年の歴史
『三保の灯台』
所 在 静岡県静岡市清水区三保
管理事務所 清水海上保安部
(〒424-0922 静岡市清水区日の出町9番1号)
髙 さ 地上から灯台頂部まで約18メート、
水面から灯火まで約21メートル
(地上~灯火:15.6m)
目 次
私どもの子供の頃は、三保の灯台(正式名称:清水灯台)は、妙に親しみやすいものでした。内部に一度も入ったこともなければ、年に1度ぐらいしかお目にかかったことはありません。しかし、日常会話の中に時々でてきたり、港町、清水のシンボルとしての存在価値が大きかったような気がいたします。
本日は、久しぶりに三保の灯台を訪れるとともに三保の灯台の内部までも見学させて頂きます。
平成7年までは、いわゆる灯台守と呼ばれた職員が、三保の灯台の横にあった官舎に住んでいたそうです。最後の灯台守が石井源助さんという方です。灯台の頂上には避雷針があり、風見鶏になっていることが多いようです。三保の灯台の風見鶏は石井源助さんの娘さんが考案してデザインした、ここだけにしかない、三保の羽衣伝説の天女を模した風見鶏になっております。
三保灯台の内部に案内されました。内部は本当に狭く、階段はものすごく急でした。船水さんが一生懸命に説明してくれるのですが、上っていくのがやっとでした。灯台のランプは遠くまで照らすため、すごく大きなランプを想像しておりましたが、予想よりはるかに小さかったです。100年前のバーミンガム製のレンズは今も現役です。100年前のレンズを通した光りは少し黄色く、今のレンズを通した光りとは微妙に違うそうです。今度、灯台の灯りを見るときには、光の色にも注意してみたいと思います。
三保灯台の隣にあった灯台守の住まいだった官舎は取り壊されて、草が茂っておりました。その隣には三保園ホテルがあります。三保園ホテルは清水でも有名な老舗ホテルで、私が子供の頃からありました。
確か、大洋ホエールズのベースキャンプにも使われたはずです。久しぶりに三保園ホテルを見て懐かしさを感じました。
三保灯台は今は無人で、近代的な電気機器に支えられて、灯台としての機能を維持しております。
いつもですと、歴史散策の後は昼食になるのですが、平日だったことと、台風の影響で雲行きが怪しいので、急いで事務所に戻りました。案の定、帰りの道で大粒の雨が降ってきました。事務所に戻ってから、船水さんから貰った資料やお借りした資料をもとに歴史散策を書き始めました。
三保の灯台は、清水のシンボルの一つとして、これからも輝き続けると思います。