2.新厩(しんきゅう)と鼓楼(ころう)
(清水歴史探訪)
「さて、入ったすぐの所にもう既にいろいろな建物があるんですけれども。」
「そうですね、楼門を入っていきますと、右側の方には厳島(いつくしま)神社とかですね、稲荷神社が祀られています。
そして左側の方はですね、この向こうの藪の向こうの方になるんですけど、この久能山を開かれた久能忠仁(ただひと)っていう方をお祀りする久能寺っていうのが向こうにありまた。
こちらはですね、馬屋(神厩:しんきゅう)です。家康公の愛馬をですね飼ってた場所というとこでしたが、その馬が亡くなった後ですね、左甚五郎(ひだりじんごろう)さんがその馬に似せた白馬を作りました。その白馬を、ここで飼ってるということでです。ですから、中にその白馬が入っています。」
「さて、そしてもう一つ大きな石段を上りまして、大きな鳥居をくぐって行きます。鳥居の横なんですけれども、右側に塔が一つありますね。」
「これはですね、鼓楼塔(ころうとう)と言います。太鼓の鼓に、楼閣の楼と書いて鼓楼
(ころう)言うんですが、昔は中に江戸時代は鐘があったわけですね。ですから、鐘楼だ
ったんですけども、明治になりまして神様と仏様は分けなさいという神仏判然令(神仏分離令)という明治政府の方針によってですね、鐘は仏教的だということで大谷にあります大正寺院にいったと聞いております。そして、中がですね無くなったので江戸時代にあった太鼓をですね、持ってきて、太鼓を吊るして鐘楼から鼓楼に名前が変わったと言われているんですけれども、ここも国の重要文化財に指定されている建物です。」
「そうしますとここは、昔は神様と仏様も一緒にいらっしゃったわけですね。」