4.羽衣ホテルと羽衣伝説、そしてエレーヌ
(清水歴史探訪)
地元、三保に住む人々にとっても、エレーヌ夫人と三保の松原は特別な存在になっているようです。羽衣の松にほど近い羽衣ホテルの女将(おかみ)、遠藤マユミさんに伺いました。
「もう私が物心つくころからあのエレーヌ夫人の写真がずっとかかっておりました。印象が強い女性で、なんでここに、このうちに、この方の写真があるかと不思議に思っていました。ずっと。写真でしか会ったことがない方なんです。けれども、非常に目の力の強い情熱そのものという印象を持っております。ただ、段々に、エレーヌさんのお話を考えていくと、----遠い所にいた方がなんでここまで(三保に)憧れの気持ちを持てるのだろうか?って、いうのが----ちょっとよくわからない時も、ありましたね。」
「お客様と、そういう話を、なさることはありますか?」
「芸術家の方は、非常に関心を持たれる方は、多いですね。
彫刻『レリーフ』も朝倉京子さんの作ということが非常に面白い碑(ひ)ですよね。今でいうシャープというかスタイリッシュというか、日本的でもないし、緑の松林に白い碑(ひ)というのは碑(ひ)そのものがとてもきれいですね。
やはりこの空間というのが、今『世界遺産』富士山が『世界遺産』という中で、『個性遺産』になっている。-----富士山というのは、海原と松と共に育んできた、------世界観が非常に長くて、それが何かと言うと、-------やっぱり富士山の上には天があって。------
この空間というのは非常にその宇宙的な空間です。-------ここは本当にそれが体現できるという意味では、------神様が宿っているのは当然であろうと思うような空間ですね。-------毎日芸術作品を見ているようなもので、たぶんとても幸せなんだと思います。
まさしくそうであるからこそ、この清水という工業地帯の中でも、-----現代に生き続けてきたという、-----それ自体が稀なことだと思います。
100年先の子達に、私達はもちろん出会うことはできませんが、-----何とか伝えたいという空気が風になったり、-----海原の塩になったり。
なんとか、その子供達に日本の美と言いますか、-----宇宙の美と言いますか、-----それを見せてあげたい。
残してあげないと、-----人間として生きていけないんじゃないかな、-----と私は思います。」
改めて、羽衣ホテルから『羽衣の松』、『エレーヌ碑』、『白龍さん』、『白龍神社』を紹介します。
朝倉京子さんの彫刻『レリーフ』です。能面を持ったエレーヌです。
エレーヌの夫のマルセルさんの書いた詩です。
新羽衣の松です。
ペットボトルが邪魔だと思ったのですが、お供え物のようなのでそのまま写しました。
『新三景之碑』と書いてあった碑です。
白龍神社を探したら、津島神社に出会いました。ここで白龍神社の場所を教えてもらいました。