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1.三保・羽車神社を訪ねて
歌川広重の描いた三保の松原。
三保の松原と富士山。
平安時代から親しまれている三保半島の南側に広がる景勝地である。 総延長7km、5万4千本の松林が生い茂る海浜と、駿河湾を挟んで望む富士山や伊豆半島の美しい眺めで有名。
羽衣橋の天女。
静岡市清水区を流れる巴川最下流に掛かる羽衣橋です。
羽衣の天女は「三保の羽衣の松」として有名です。
羽衣をかけるに適した松の枝です。
羽衣を返してもらった天女は、舞いながら十五夜の月へと空高く天に昇っていったそうです。
匂いをかいだら、羽衣の残り香がしました。
上空から見た三保の松原と富士山。
羽車神社。
御穂神社の離宮。こちらの神社には石に願い事を書きいて納める風習があるそうで、足元には色々な石が敷き詰められていました。
(清水歴史探訪より)
蒲原、由比、興津、そして江尻から府中へ
清水歴史探訪
 
毎月第二土曜日のこの時間は、清水区内各地に残された歴史の香りをたずねます。
白い砂浜に打ち寄せる波と、はるかにそびえる霊峰・富士。
絵葉書やポスターでお馴染みの三保の松原は、羽衣伝説で全国に知られています。
 
この浜では、毎年10月初め、『羽衣祭り』が開かれ、三保羽衣薪能で伝説の世界が再現されます。お馴染みの羽衣の物語。松の枝にかけられた美しい天人の羽衣を、漁師の白龍(はくりょう)が見つけ、持ち帰ろうとします。そこに天人が表れて、『衣を返してくれれば、天の舞楽を見せる』と約束しますが、白龍は『そのまま天に帰ってしまうのだろう』と疑います。天人は、『いいや、疑いは人間にあり。天に偽りなきものを』と謡(うた)い、我が身を恥じた白龍は羽衣を天人に返すのでした。
 
羽衣祭りでは、この地を起源とする能『羽衣』が、薪能(たきぎのう)として篝(かがり)火の元で演じられるほか、フランスで舞踏家として活躍した、エレーヌ・ジュグラリス夫人も顕彰する式典が催されています。日本の伝説に、どうしてフランスの舞踏家が関わったのか。現在、地元三保でこの羽衣祭りを支えている三保(さんぽ)会会長の櫻田芳宏(サクラダヨシヒロ)さんに伺いました。
エレーヌさんの師:イサドラ・ダンカン
イサドラ・ダンカンはモダンダンスの祖
エレーヌさんの夫:マルセルさん。当時、フランスの海外宣伝機関であるユニ、フランス駐日代表。
羽衣の碑(エレーヌの碑)。碑の下には彼女の遺髪が埋納されています。
 
(清水歴史探訪より)
「エレーヌ・ジュグラリスさんという方は、1916年(大正5年:第一次世界大戦当時)生まれで、お父様がお医者さんでございました。お父さんの患者さんの中に『舞踏の母』と言われた方がいらっしゃったようです。
このため、ジュグラリスさんもフランスで舞踏家として活躍を始めたようでございます。けれども、西洋の舞踏にあきたらず、東洋の方の日本の能にたどりついたのですね。当時は、戦争中で資料もなく、日本との行き来もあまりない時でした。その時代に、自分で舞踏としての能というものを、完成をさせ、衣装も自分で作られました。1949年、昭和24年の3月に(パリのギネ美術館で)初公演をされまして、たいそう、評判が良かったようでございます。けれども、その年の6月の舞台の時に、「羽衣」の衣装をまとったまま倒れてしまい、そのまま2年後に、お亡くなりになってしまいました。その時に、御主人であるマルセルさんに、私の遺髪、私の思いを、是非、三保の松原に持って行って欲しい、代わりに訪ねて欲しいと、言って、お亡くなりになりました。
そしてマルセルさんが、日本に訪ねて来られました。それに非常に感銘を受けた当時の方々が、『日仏羽衣の会』というのをおつくりになったのでございます。その当時は清水市でございますが、昭和27年に、このエレーヌの碑を建立したそうです。その時に梅若万三郎一門の方にお願いをして、能『羽衣』をですね、特設舞台を作って踊っていただいたという経緯がございます。
それ以降、羽衣の松のすぐ横に羽車神社という神社がございますので、そこで必ず年一回祭典をやっておりますので、それに合わせてですね、このエレーヌ夫人の碑を顕彰しながら細々ながらずっと続けてきていたということでございます。昭和59年に旧清水市でございますが、市政60周年、開港85年、ストックトン姉妹都市提携25周年を記念しまして、国際海洋文化都市マリンピア清水21という大きな一つの企画をされました。 
その時に三保で薪能をやろうということで、始まったのが『羽衣祭り』という形になります。羽衣の松を借景に薪を焚いてということですので、それはもうなんとも言えないです。あそこでなければなかなかこの雰囲気は出ないだろう、と思います。この雰囲気は、劇場ではなかなか出せません。これは全国に誇れると思います。
 エレーヌ碑の建立除幕式では、在日フランス大使様をはじめ、浜辺を埋め尽くすほどの人々が参列する中、梅若万三郎師一門が「羽衣」を上演しました。(羽衣まつり20周年記念誌「はごろも」より)
 
エレーヌ・ジュグラリスは、フランス人舞踊家です。
三保の浦
波渡る風 語るなり
パリにて「羽衣」に
いのちささげしわが妻のこと
風きけば
わが日々のすぎさりゆくも
心安けし
H・マルセル・ジュグラリス
(有永弘人訳)
(注1)翻訳する前のH・マルセル・ジュグラリス氏のフランス文は、次のようでした。 
 

Le vent des vagues      

De la plage de Miho      

Parle de celle dont à Paris,  

Hagoromo a emporte la vie.  

En l'écoutant mes jours    

Pourront s'énfuir.      

H.Marcel Giuglaris 

      

 

ネットで見ていたら次のように、訳した人もおりました。

 

 風は語る
 三保の浦の波のことを
 この波が遠くパリで
 いのちを運び去ったのだ
 この風を聞きながらだったら
 わが日々も安んじて消え行くことができよう
H・マルセル・ジュグラリス
 
 
(清水歴史探訪より)
『羽衣祭り』としまして、『羽衣の舞』、保存会の皆さんが『羽衣の舞』を披露されております。これはエレーヌの顕彰に向けて、ということで能とは別に地域にある御穂神社、稚児舞(ちごまい)ですけども、これも維持、管理をしながら雅楽(ががく)等をやらせていただいておりますが、皆、その三保会(さんぽかい)のメンバーを主力にやらせて頂いております。」
 
三保羽衣薪能では、羽衣の松を借景に、各流派の能楽師を招いて能が上演されます。
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税理士法人森田いそべ会計
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代表 森田行泰
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