第十一話 羽衣伝説とエレーヌ夫人
目 次
能や歌舞伎舞踊の『羽衣』は、三保の松原が物語の舞台となっていますが、男が天女の羽衣をこっそり隠してしまい、天上へ戻れなくて困ってしまう..."という説話は日本のみならず中国、韓国、東南アジアと広い地域に残されています。
三保の松原の『羽衣』は、羽衣を戻してもらうお礼に、舞を舞ってみせるというストーリーです。
静岡市立清水第五中学校は、静岡市清水区三保1720にあります。学校からは、富士山が見え、三保の松原が近くにあるそうです。また、学校の授業の一つとして『能』の勉強をしているそうです。
羽衣祭りの時には、薪能(たきぎのう)と同じ舞台で、子供能楽として成果を発表しているそうです。
マルセル氏が携えてきたエレーヌ夫人の遺髪は「羽衣の碑」に収められ、能装束や楽譜などの遺品は清水中央図書館のメモリアルコーナーで展示されています。
なお、清水中央図書館は駐車場はありませんので、静岡鉄道を利用するのが一番良いです。静鉄の桜橋駅から徒歩で5分内です。メモリアルコーナーは、3階にあり係員も誰もいませんので勝手に見てください。
羽衣ホテルの女将さんの遠藤まゆみさんを訪ねました。遠藤さんは、NPO法人『三保の松原・羽衣村』の事務局長をやっております。NPO法人三保の松原・羽衣村は、和歌や絵画にも多く残る景勝地である三保を守るため、海岸の清掃活動をしたり、文化的な勉強、研究をしたりしているそうです。
遠藤さんに「こちらの羽衣伝説は、平安時代の話ではないかといわれており、松の浮かぶ州浜、そして富士山の見えるこの場所は『天への入り口』と言われるほど神聖な場所で、だからこそ、天女も安心して舞い降りてきたのではないかと言われています。」と説明してもらいました。
説明を受けてから、羽車神社、羽衣の松を見物し、白龍神社まで行って参りました。
「羽衣まつり」は、能「羽衣」の上演に生涯を捧げたフランス人舞踊家エレーヌ・ジュグラリス夫人の顕彰、羽衣伝説・伝統文化の継承、舞台芸術の紹介、国際交流等を目的に、昭和59年から静岡市清水区三保で開催しています。その中心的事業が「三保羽衣薪能」です。羽衣まつりについては下記の『羽衣まつり』をクリックしてください。
『羽衣まつり』
木村武山『羽衣』
(文部省唱歌)「羽衣」
作詞=林 柳波 作曲=橋本国彦
1 白い 浜辺(はまべ)の 松原(まつばら)に
波が よせたり かえしたり
2 あまの 羽衣(はごろも) ひらひらと
天女(てんにょ)の まいの 美しさ
3 いつか かすみに つつまれて
空に ほんのり 富士の山