3.由比本陣の中に入って
(清水歴史探訪より)
「それでは本陣の方へ入っていきたいと思うんですが、立派な門を潜って、分厚い両開きの木の扉が…。」
「これこのまま復元されております。」
「鋲(びょう)(乳鋲)が打ってあって、やはり格式がちゃんとあるわけですね。」
「そうですね。」
「外から見えないという遮蔽(しゃへい)型という由比本陣ですが、当時も偲ばせるような物で残っているものはどんなものがあるのでしょうか。」
「この庭に据えてある 石灯篭 とか全部当時の物です。」
「灯篭はかなり数がありそうですね。」
「ちょうど玄関から数えて16ありますね。由比川には良い石が取れるということで、こうした公園にも石がたくさん配置されているんですね。当時はこの、遮蔽の塀(しゃへいのへい)の内側に石積みがあるんですよ。」
「ちょうど馬の水飲み場の塀を挟んだ裏側のところですね。」
「あの角で立ちますと、昔は高い家がありませんでしたので由比川を渡ってきた参勤交代の列がわかったそうです。それであそこで、由比川を(参勤交代の列が)渡ったということでこちらで準備をするわけですね。」
「お殿様が来たので準備をしなさい、という…その見張り台にもなっていたというわけですね。今ちょうどこの櫓(やぐら)が建ってるんですが、これは当時の物とは違うんですが、手前のところがやはり物見台みたいになっているんですが。」
「そうですね、物見台になっていますね。」
今ではすっかり公園として整備されている由比の本陣ですが、かつての栄華を偲ぶ庭園が今も残されています。