4.静岡市埋蔵文化センターを訪ねて
で、馬に鈴が付けられます。馬の鈴と書いて“ばれい”と読みますけれども、その馬鈴が出土しています。
この馬鈴がですね、全国的にも珍しいぐらい大きな馬鈴でして、さらにですね、その鈴ですので音が鳴りますけれども、その中に塊ではなくて小さい鈴が入っています。鈴が入れ子(いれこ)になっている状態で、珍しい物が今3点出土しています。」
「大人の握りこぶしよりも1回りぐらい大きいですね。」
「大人の握りこぶしよりも1回りぐらい大きいですね。」
「そうですね。かなり大きな物で全国的にも珍しいような大きさですので、身分が高い方がそこに埋葬されていたんだなっていうのが分かります。で、それ以外にですね、刀類が出ています。実際にはここの展示の中には刀の一部、一番先端に付けられる丸い輪っかの部分、環頭(かんとう)と言いますけれどもその部分が展示してあるだけですけれども、それ以外にこういう飾りの付いた刀っていうのが3つ出ています。
それからこの時代の土器で言いますと、須恵器(すえき)という焼き物で灰色の肌を持ったかなり硬質の焼き物、この時代になりますと窯で須恵器を焼かれるようになります。それまでは800度ぐらいの低温で野焼きされた土器だったので、オレンジ色とか茶色とかをしてたんですけれども、この時代になりますと1100度、1200度ぐらいの温度で窯で焼かれますので、こういった硬質、固いですね、灰色をした土器というのが出てまいりますけれども、それを須恵器と言いますが須恵器も何点か出土しておりまして、その1点を展示しています。」
「技術というのが進歩していく時代だったわけですか。」
「ええ、そうですね。実際に中国、朝鮮半島から伝わってきた技術というのが、その前の時代、弥生時代からもそうなんですけれども、順に我が国にも伝わってきていろんな物が様変わりしていく時代になりますね。」
「この材質としては、例えばこの馬鈴なんていうのはどんな材質なんですか。」
「はい、これは銅でできています。それ以外の物も銅でできた物もありますし、あと鉄ですね、それに金メッキされた物とかが多いですね。」
「金メッキが出来たんですか。」
「ええ、そうですね。実際に中国、朝鮮半島から伝わってきた技術というのが、その前の時代、弥生時代からもそうなんですけれども、順に我が国にも伝わってきていろんな物が様変わりしていく時代になりますね。」
「この材質としては、例えばこの馬鈴なんていうのはどんな材質なんですか。」
「はい、これは銅でできています。それ以外の物も銅でできた物もありますし、あと鉄ですね、それに金メッキされた物とかが多いですね。」
「金メッキが出来たんですか。」
「ええ、そうですね。鎧兜(よろいかぶと)、甲冑(かっちゅう)と呼ばれる物ですね、が出たり飾りがされている刀が出たり、あと鉄製品で言いますと弓矢の先に付ける鉄鏃(てつぞく)矢尻の部分になりますけれども、そういった物もたくさん出ています。
特に鎧兜、甲冑についてはですね、静岡県内でも鎧と兜がセットで出ているのはここと磐田市の五色塚古墳(ごしきづかこふん)っていうのがあるんですけれども、そちらの2例しかないです。
鎧兜で言いましても4例ぐらいしかなくてですね、かなり珍しい物になります。
戦がですね、されたかどうかっていうのははっきりは分からないんですけれども、身分が高い人についてはですね、馬に乗って鎧を身に着けてですね、人によっては鎧も兜もって事になるんですけれども、身に着けていたという形でですね、高い身分を示す物であるという風に考えられています。
権力の象徴と言いますか、で身に着けられているっていうことになろうかと思いますね。」