4.『朝顔日記』の主人公について
(清水歴史探訪より)
この物語の主人公、深雪(=朝顔)について、詳しく調べている方がいらっしゃいました。地元生まれ、地元育ちという、田辺孝次さんです。
「この深雪(=朝顔)さんなんですけれども、いつ頃の時代の方なんですか?」
「いわゆる家光から綱吉の時代になるのだか。」
「江戸時代ということですか?」
「江戸時代の初期ですね。」
「お生まれはどちらだったんですか?」
「結局、延岡。その当時は県(あがた)っていうんですが、後に名前が変わって、延岡になっているんですね。」
「そうしますと、お殿様のお姫様ということだったんですか?」
「そういうことですね、いわゆる六万石のお姫様です。」
田辺さんは、深雪(=朝顔)の足跡(そくせき)を訪ねて、深雪(=朝顔)の故郷である延岡がある日向の国、今の宮崎県まで足を延ばしていました。調査の最初の関門は、地名だったようです。
「入江小のいろはかるたの中に、『朝顔日記』ということで載っていたので、それから関心を持つようになって、一辺調べてみたいなと思っていました。
ヒントは、財部(たからべ)という地名でした。
放送で、財部藩(たからべはん)が高鍋藩(たかなべはん)に改名されたということがわかったのです。それから調べれば調べるほどわかってきた。まだまだ、調べるといくらでも出てくるんですよ
ところが、財部(たからべ)という地名を調べてもなにもないんですね。諦めていたら、名君で有名な上杉鷹山(ようざん)の放送があったのです。上杉鷹山は、高鍋藩(たかなべはん)6代目藩主の秋月種美(たねみつ:秋月家22代目)の次男で上杉家に入ったのです。