「こちらがサボテンですね。」
「大きなサボテンが、しかも数も多いですね。」
「そちらはもう市の指定文化財に指定されているサボテンでございます。」
「お寺でサボテンというのは、ちょっとイメージがミスマッチのような気もしたんですけれども、どうしてここにサボテンが来たんでしょう?」
「サボテンですね、よく見ると棘があるんですよね。棘があるんですけれども、これから7月から8月にかけて綺麗なオレンジ色の花を咲かせるんですよね。棘のある人にも綺麗な花が咲くんだよっという、そんなエピソードも含めてこちらのお寺にサボテンが植えられているんじゃないかと思います。」
「そういう教えなんですね。そしてそのすぐ横が蘇鉄ですね。」
「こちらは天然記念物に指定されている、我が国最古最大のこのお寺に開山当時に植えられたと言われている蘇鉄です。」
「これも大きくなっていますね。」
「そうですね、根回りが7メートルですかね。樹齢が1100年ということでございます。」
「昭和天皇もこれをご覧になっているわけですね。」
「そうですね、こちらも見に来られまして。」
この他にもユニークな形の緑が独特な景観を作りだしています。
「こちら、なにか動物に似ていませんか?」
「今松の木があるんですけれども、低い松ですね。」
「はい、そうですね。これ、動物の亀に似ているものですから亀松と言われておりまして、奥にある松の方が亀に対しまして鶴が羽を広げているように見えますから鶴松といわれております。こっちの庭園の方が、開山当時から造園されております観富園(かんぷえん)という庭園でございます。市の指定文化財にね、指定されておりまして、築山を挟んで池があるんですけれども、その池が駿河湾に見立てて、そしてこの本堂の方が富士山の屋根に見立てられまして、ちょうど上からの景色を縮小した様な形で造園されている庭園でございます。」
「ちょうど今その本堂が、茅葺屋根の葺き替えの真っ最中というところですね。」